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October 11, 2007

ユリイカ 2007年9月 特集 安彦良和

普段はほとんど手に取らないユリイカ。
安彦良和特集なので買って、その感想。


・戦争を描く、人間を掴む/安彦良和×伊藤悠
― まだ読んだことがなかったので今月の新規開拓対象にしようと思っていたら、原作者の関係で連載を打ち切られたそうで。。なんだかなぁ。


・歴史の忘却と捏造に抗して『機動戦士ガンダム THE ORIGIN』 という挑戦/安彦良和[聞き手・構成=更科修一郎]
― 好き放題wパトレイバー2が好きな自分としては耳が痛い(いや、そういうわけでもない。)。まーG20は糞だったと思いますが。


・狗としての王道/大澤真幸
― 王道と覇道を体現する本作品の二人の主人公、加納周助と風間一太郎は、孫文の大亜細亜主義講演における王道と覇道=明治日本外交を擬人化したものだと思っているので、本評のように主人公個人に視座を置くのに違和感。


・仮面と反語の男、あるいは若くもない反抗者の肖像/上野俊哉
― 「あっそ。」という感じのシャア論。
 こういう類の評論を読むと小中高の友人の父親のエッセイを思い出す。氏はここ数年のように権威が失墜する前の芥川賞受賞者なんだけれども、自分の息子(それが友人の兄だか友人だか忘れたけど)の学校の現国の試験に自分の小説が題材になったから、自分でも解いてみようとしたら解けず、答えを見てみてもどーしてそうになるのか丸で分からなかった、という。
 あと、どうでもいいといえばいいんだけど、

 シャアにおける仮面や韜晦、あるいは反語の嗜好は、キャラクターの設定を超えて、ガンダムに作り手として関わった人間たちについても言えることではないのか。また同時に、シャアの生き方の中に根づいた「嘘」や演技の身振りは、ガンダムをはじめとするアニメ/オタク文化全般にも関わっている可能性がある。
 このことは大塚英志氏が指摘してきたように、ガンダムが複数の「転向左翼」によって作られたアニメであり、それどころか、そもそも日本のサブカルチャーの多くの部分が戦前から戦後の「転向者」の文化であったという仮説/事実と関わっている。
(本書 79ページ)

と書いている。ほんで件の大塚氏、

 「機動戦士ガンダム」は、ロボットを兵器リアリズムで描くことで、再び「戦時下」にある日本で、何度めかのブームにあります。それが富野由悠季と安彦良和という二人の「転向左翼」によって担われていることは、本人たちは言われたくは無いでしょうが歴史の皮肉です。大塚英志 大澤信亮 「ジャパニメーションはなぜ敗れるか」 [2005] 53ページ)

としている。
 コレ、安彦氏はともかくガンダム総監督の富野氏は転向左翼じゃなくてバリバリの右翼学生だったと告白している(山田玲司 「絶望に効くクスリ5」 [2005] 実家にあるからページ不明)ので、(富野氏が山田氏にいいかげんを言ったのでなければ)コレらは事実誤認だと思われ。富野対談「戦争と平和」なんかを読むと、彼らが「ガンダムは転向左翼によって作られた」ということにしたいのは分かるけども。


・安彦良和原画展をちょっとだけ内側から見る/ヤマダトモコ
― これ見に行ってきました。その1 その2


ユリイカ 第39巻第11号 特集*安彦良和
青土社
発売日:2007.9
出版社:青土社
価格:\1,300
ISBN:978-4-7917-0167-4

Posted by rover : October 11, 2007 01:42 AM

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