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May 31, 2008

抽象化とパラメータ付け

自分のアイデアを「オリジナリティがない!」と一蹴されたら、誰だって「じゃあ、お前がアイデア出してみろ!」と反発したくなるだろう。

そこで今回は『キャラクター小説の作り方』(大塚 英志)をヒントに、”オリジナル”なアイデアの出し方について考えてみたい。
これから紹介する簡単な視点さえ身につければ、アイデアに困ることはなくなるはずだ。

まずキャラクターの作り方について著者は次のように述べている。

1.既存のキャラクターを抽象化する。
2.その上で様々な個別の要素を加えることで”オリジナル”なキャラクターができる、と。

この本の中では例として、「左右の眼が異なる」という要素を抽象化し、
そこに年齢や性別などの詳細を加えていくことで、1人のキャラクターができ上がっていく様子を示してある。

つまり”キャラクター個人”を特定できないほどに抽象化した特徴
具体的な個々の特徴を組み合わせていくことで、1人のキャラクターが生まれるのである。


著者も文中で述べているが、「特徴」と言えるほどの特徴はそれほど多くはない。
隻眼だとか、髪の毛が緑色だとか、怪物に変身できるだとか、超能力が使えるだとか
世の中にあるさまざまな小説、映画、ゲーム、マンガに登場する星の数ほどのキャラクターも
その特徴を抽象化してしまえば、大した数ではあるまい。

しかし、その抽象化された特徴に、いろいろな設定(パラメータ)を組み合わせていくことで、”個性”が生じるのだ。

たとえば、ドラえもんもコロ助も鉄腕アトムも皆「優しい心をもつスーパー?ロボット」という一つの特徴に抽象化できるかもしれない。
しかし、これらのキャラクターは決して没個性してはいない。それぞれに強烈な”個性”を放って感じる。
そのように”個性”を感じるのは、個別のパラメータが違うからだろう。


この抽象化とパラメータ付けという方法は、単にキャラクターを作るときだけではなく、さまざまな分野で応用が利くと思う。

たとえばビジネスモデルを考案するにしても、この方法は有効である。

まず既存のビジネスモデルの本質を抽象化し、
(元のビジネスモデル自体は広く普及しているかも知れないし、既に廃れているかもしれない)
その抽象化したモデルに時代のニーズに合わせたパラメータ付けをしていく。

例として比較.comを考えてみよう。

商品やサービスの比較自体はインターネットが普及する以前から行われていた。
雑誌の特集記事として新製品の比較が組まれることもあったし、
保険代理店のビジネスモデルは比較.comと本質的にはなんら変わるところは無い。

比較.comは無から有を生み出したわけではなく、
既にあったビジネスモデル
(多くの情報を比較しやすい形で提供し、契約成立時にマージンをもらうというモデル)
を「インターネット」という舞台に移しただけなのである。

このように、大成功を収めているビジネスモデルであっても、
(全てとは言わないが)この抽象化とパラメータ付けという方法を使っているものが多くあることが分かるだろう。


そして、ここまで読んだあなたは気づいているであろうが、実はこの記事自体も抽象化とパラメータ付けという方法を使って書いている。

つまり、”キャラクターの作り方”という具体的な事例から、本質を抽出し、
それに対して「ビジネスアイデアを考える点ではどうか?」というパラメータ付けをしているに過ぎない。


0から1を生み出すのは大変だが、1を100にするのは知恵と努力があれば不可能ではない。
アイデアに困ったときには、抽象化とパラメータ付けという視点を意識して周囲を見渡してみてはどうだろうか。
きっとあなたは、アイデアの原石の山に驚くはずだ。

投稿者 nikki : May 31, 2008 08:06 PM
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