戦争からきらめきと魔術的な美がついに奪い取られてしまった。アレキサンダーやシーザーやナポレオンが兵士たちと危険を分かち合いながら、馬で戦場を駆けめぐる、帝国の運命を決する、そんなことはもう無くなった。これからの英雄は安全で静かで物暗い事務室にて、書記官たちに取り囲まれて座る。一方何千という兵士たちが電話一本で、機械の力によって殺され、息の根を止められる。これから先に起こる戦争は女性や子供や一般市民全体を殺すことになるだろう。やがてそれぞれの国には、大規模で限界のない、一度発動されたら制御不可能となるような、破壊のためのシステムを生み出すことになる。人類は初めて自分たちを全滅させることができる道具を手に入れた。これこそが、人類の栄光と苦労のすべてが最後に到達した運命である。−ウィンストン・チャーチル
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前回に引き続いての第二集の紹介。今回は第一次世界大戦の始まりから終結まで。この戦争において重要な点はやはり火力の増大と塹壕戦につきると思う。いままでは騎馬隊と歩兵隊で突撃するのがメジャーな方法だったが、機関銃の発明により、バリケードを作ってそこから銃を乱射するだけで相手の兵士をなぎ倒せるようになった。地上に生身の人を配置しても無駄死にさせるだけとなったのである。じゃぁ、いったいどうやって戦うかというと、塹壕を掘って銃弾にあたらないようにし、そこから射撃するようにすることだった。しかしどちらの国も考えることは同じで、お互いに塹壕をはさんだままの戦線の膠着が続いたのだった。なんとこの状態が4年間も続き、その間相手の塹壕ラインを突破するために兵器の開発が続いたのである。具体的には、毒ガス・戦車・戦闘機・火炎放射器などで最終的に兵士だけで900万人の戦死者を出した。
この映像は戦争の悲惨さをよく伝えている。いったいなんでこんなことが起こってしまったのか、どうしてこんな悲惨な戦争が行われることになってしまったのかを考えると、やはりそれは、開戦当初はここまで悲惨なことになるとは思ってなかったということになると思う。『さくっと戦争をやって、半年もたたずに決着が付く、戦闘期間も短いし今までの戦争と変わらないだろう』という思い込みが戦争を始めさせたのだ。そしていったん始まってしまうと、どちらかが負けるまで戦闘は終わらない。しかし勝つために歩兵を進軍させると大量に兵を失って負けてしまうというジレンマに陥り、長期化、被害の甚大さに繋がったのだと理解している。
確かに、戦争が長期化しここまで被害が拡大すると開戦前に予測することは難しかっただろう。また、その頃は植民地政策全盛の時代で、戦争に勝つことによる利益によって国が潤うという側面もあった。だから、この戦争が起こったことは人間の心理として理解できる。ただ、この戦争が終わってからたった21年後にまた大規模な戦争が起こっているのが納得がいかない。なぜだ。これだけ戦争が悲惨になるってわかっているのに、なぜお前たちは記憶も鮮明なうちから第二次世界大戦をはじめるのだ。いったいこの戦争で何を学んだのだ。と考え込んでしまった。
この第一次世界大戦から第二次世界大戦までの出来事が気になり調べてみたところ、非常に興味深いことがわかった。なぜ第二次世界大戦が起こったのか、その芽は戦敗国への多額の賠償金によって生じた、生活の圧迫による不満であった。その不満によりナチスがうまれた。では、なぜそのナチスドイツが第二次世界大戦を引き起こすことができるほど力を蓄えることができたのだろうか?その理由はなんと、第一次大戦の甚大な被害と恐怖に対してうまれた平和主義だった。この戦争を避けようとする主義・政策・世論によって、ナチスが軍を持つと主張した時に阻止することができず、ラインラントへの駐留を阻止することができず、オーストリアの併合を阻止することができなかった。ナチスはオーストリアを併合した後、チェコスロバキアのズデーテン地方を要求し、もし断るなら戦争も辞さないと宣言した。これに対してすら、戦争を嫌う各国は「これ以上の領土を要求しない代わりに認める」という結論を出してしまったのだ。もうこれは悲劇というほかない、戦争を回避するための平和主義がナチスの軍備拡大・領土拡大を許したのだ。いったい、これはなんだ。平和主義が戦争を生むのか。そんなことがあっていいのか。平和主義が戦争を生むならいったいどうしたら第二次世界大戦を防ぐことができたというのか。僕はこの答が容易に見つからず、頭を抱えてしまった。
最後に(これがいいかどうかは別として)チャーチルの言葉を引用しておく、
第二次世界大戦は防ぐことができた。宥和策ではなく、早い段階でヒトラーを叩き潰していれば、その後のホロコーストもなかっただろう。投稿者 gaaaaaaan : July 25, 2006 06:44 PM−『第二次世界大戦回顧録』ウィンストン・チャーチル