決断力−羽生喜治
・日頃から実力を磨き、周りからの信用を勝ち取ることは、物事を推し進めるために大切なことだと考えている。・どの世界においても、大切なのは実力を持続することである。そのためにモチベーションを持ち続けられる。地位や肩書きは、その結果として後についてくるものだ。逆に考えてしまうと、どこかで行き詰ったり、いつか迷路にはまり込んでしまうのではないだろうか?
以前、関西電力の人事部の人(40歳ぐらい?)に、「社内で出世する人に共通して見られることは何ですか?」と聞いてみたところ、答は2つあった。ひとつはコミュニケーション力だかそういった類のありきたりなことだったので忘れてしまったが、もうひとつの答は僕にとってやや意外なもので印象に残っている。その答とは「決断力」であった。
考えてみれば、実際の仕事において正解がはっきりわかっている判断などあまり無いのではないだろうか?このプロジェクトを実行するとリターンも大きいけどリスクも大きいんだよなぁ、もう一個のプロジェクトはローリスクローリターンだしそっちでいいか。いや、でも、変化の早いこの世の中ローリスクのプロジェクトを行うこと自体がハイリスクだったりして・・・とか、とりとめも無い考えを普通にしてそうである。
実際、これまでも多くの正解の読めない判断をしてきたもので、それが些細なものならいいのだが、人生を大きく左右するい決断も数多く存在する。例えば京大を受けるという決断だってそうだ。ちなみに僕が京大を選んだのは「東大は日本一っていうのが気に食わないし、男ばっかしかいない東工大は嫌だ」ってことと、小学生の時に感じた「この大学に行きたい」という考えを引きずってたって事だけだから、いかに適当かがわかる。就職に関しても、いろいろ理由を個別にあげていくことはできるのだが、結局は「女の子にもてそう」という理由と「よさそうに感じた」というただの直感ではないかと思う。なんかこうしてみてみると、僕の人生における判断は「女」と「なんとなく」が基準になっている気がする。わりあい、あたっている気がするところが怖いなぁ。
そういった、なんとなくこなしてきた決断をする力を磨くにはどうしたらいいのだろうか?とおもいこの本を購入してみた。将棋においては、考えて考えて論理的に答を決めるものだと思いがちだが、決してそういうわけではなく、プロの棋士でも10手先の状況すらわからず、3つぐらい手を考えて、そういったなかでなんとなくよさそうなものを打っていくのだそうだ。もちろん、そんな状況だから対局の最中は決断の連続となる。そういった状況にたずさわっている筆者が、どのようにすれば決断力を伸ばせるのか述べている。
と、ここまで書いてきてなんだが、僕が最も印象に残ったのは、決断力の話ではなく、故大山康晴にちなむ話だった。著者いわく、『大山先生を前にするとものすごい威圧感にずっと圧倒されるような感覚になる』のだそうだ。どうやら非常に心理戦に長けた人だったらしい。その大山は「仲間に信頼されることが大切だ」と語ったのだそうで、それはつまり、仲間に強いと信頼されればそれだけで勝ちに繋がる、というわけである。あるよね、そういうの。ほら、スポーツとかでもあるじゃない。「それでも仙道なら・・・仙道ならきっと何とかしてくれる」とか、そんなかんじのことが確かににある。仲間に信頼されるにはどうすればいいのだろうか?その方法は、どうやら上で引用したように、努力をして実力を磨きそしてそれを維持することによって得られるもののようだ。僕のような一般人でもできるだろうか?まずは周りに認められるような実力を得ることから始めたい。